Post 2024
2024年以降の海洋掘削科学に関する国際動向
現在の海洋科学掘削の国際枠組みである、国際深海科学掘削計画(IODP;International Ocean Discovery Program)は、2013年から2023年までの10年計画として開始しましたが、1年間延長となり、2024年9月をもって終了します。
その後の国際枠組みについて、米国は参画しないことを表明しており、JOIDES Resolution号の運用については現行IODPの期間をもって終了するか2028年まで延長するかの検討を続けていましたが、2023年3月6日付にて、運航延長は行わない旨を発表しました。(「参考リンク」参照)
欧州科学掘削コンソーシアム(ECORD)と日本は、2021年9月より、後継となる国際枠組みの検討を開始し、共同プログラムの立ち上げに向けた準備を行っています(検討会議の日本側のメンバーは、文部科学省、海洋研究開発機構、「ちきゅう」運用委員会議長、J-DESCからの代表者)。
現在の検討内容の概要は以下のとおりです。
- プログラム名は「International Ocean Drilling Programme (IODP3=IODP-cubed) 」とする。
- 掘削船を運用する ECORD と ”Japan entities” をコアメンバー、掘削船を持たない組織や国をAssociate Member(一定期間、一定額をプログラムに提供する、掘削プラットフォームをもたない組織または国)もしくはTemporary Member(プロジェクトごとにキャッシュand/or 現物出資を提供する組織または国)とする。
- 2025年1月の発足を目指す。
※J-DESCニュースレター Vol.16に詳細を解説した記事があります。(「参考リンク」参照)
(2023年5月15日現在)
参考リンク
- 米国科学掘削船 JOIDES Resolution号の運用停止に関するNSFからの発表(2023/03/06)
- 新しいプログラムに向けた掘削提案を創出するための日欧共催ワークショップ開催
Phase1:2023年1月17,19,26日 Online
Phase2:2024年3月18~20日 和歌山県那智勝浦町(Hybrid)
詳しくはこちら - J-DESCニュースレター Vol. 16(2023/05発行)
Post-IODPに向けた国際動向(P1~3)- 新しい海洋科学掘削プログラムにむけて IODP 以降の日本と欧州の取り組み:現在の状況(江口 暢久 海洋研究開発機構)
- 第1 回海洋科学掘削将来計画ワークショップ報告 –Workshop in the future of Scientific Ocean Drilling–(木下 正高 東京大学地震研究所)
- J-DESCニュースレター Vol. 15(2022/05発行)
Post-IODPに向けた国際動向(P7~9)- Post2024の国際海洋科学掘削計画の青写真(江口 暢久 海洋研究開発機構)
- Post-IODPでの「ちきゅう」の役割(島 伸和 神戸大学/「ちきゅう」運用委員会議長)
- IODP3: 新しい海洋科学掘削プログラムの発足に向けて(2023/05/19)
- 「International Ocean Drilling Programme (IODP3) Science Office」の運営に関する意向表明の募集について(2023/09/18)