アウトリーチ&教育プログラム

J-DESCコアスクール コア解析基礎コース 開催報告

2022夏開催報告

実施日程等

日程

2022年8月16日(火)13時〜19日(金)15時
※8月16日はプレイベント

会場

高知コアセンター(高知大学海洋コア総合研究センター/海洋研究開発機構高知コア研究所)

主催

日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)

共催

高知大学海洋コア総合研究センター、海洋研究開発機構高知コア研究所、産業技術総合研究所地質調査総合センター

協力

株式会社マリン・ワーク・ジャパン(MWJ)

参加者数

12名(日本人9名,留学生3名)

世話人

  • 浦本 豪一郎・池原 実(高知大学 海洋コア総合研究センター)
  • 有本 岳史(海洋研究開発機構高知コア研究所)

講師

  • 池原 研(産総研)
  • 入野 智久(北大)
  • 久保 雄介
  • 久光 敏夫(JAMSTEC)
  • 黒田 潤一郎(東大AORI)
  • 多田井 修(MWJ)

チューター

  • 安川 和孝(東大)
  • 尾張 聡子(東京海洋大)

実施内容

レクチャー

  • IODP概論(プレイベント)
  • コアキュレーション概論(プレイベント)
  • 岩相記載概論
  • スミアスライド概論
  • 非破壊コア解析概論

実習項目

  • 肉眼岩相記載
  • スミアスライド観察
  • マルチセンサーコアロガー計測
  • 分光測色計側

実習利用機器

  • マルチセンサーコアロガー
  • 分光測色計
  • 実体顕微鏡
  • 偏光顕微鏡
  • X線CTスキャナ

全体スケジュール

日付 時間 内容 詳細 講師 会場
Day 1(8/16) -13:00 KCC着   セミナー室
13:00-13:20 ガイダンス 浦本豪一郎 セミナー室
13:20-14:00 プレレクチャー1 IODPの概要・最新情報 久保雄介
14:10-14:50 プレレクチャー2 JAMSTECコアキュレーション 久光敏夫
15:00-16:00 ラボツアー 浦本豪一郎
16:00 解散
Day 2(8/17) 9:30-10:10 レクチャー1 岩相記載概論 入野智久 サンプリング室
10:20-11:00 レクチャー2 スミアスライド概論 黒田潤一郎
11:10-11:50 レクチャー3 非破壊計測概論 久光敏夫
11:50-13:00 昼食(各自)・ 受付 受付は午後の実習開始前に 生協食堂
サンプリング室
13:00-14:40 実習タイム1 記載,CT/MSCL, スミアスライドを順次,空き時間に分光測色 各講師 サンプリング室
コアロギング室
14:50-16:30 実習タイム2 記載,CT/MSCL, スミアスライドを順次,空き時間に分光測色
16:40-18:20 実習タイム3 記載,CT/MSCL, スミアスライドを順次,空き時間に分光測色
18:30-19:00 夕食(弁当)   セミナー室
19:00-20:00 グループミーティング   サンプリング室
Day 3(8/18) 8:00 朝食  
08:45-12:00 実習タイム3 グループごとに実習を進める 各講師 サンプリング室コアロギング室
12:00-13:00 昼食(各自)   生協食堂
13:00-18:00 実習タイム4 プレゼン準備など 各講師 サンプリング室
18:00-19:00 夕食(弁当) セミナー室
19:00-20:30 プレゼン準備 サンプリング室
Day 4(8/19) 8:00 朝食
09:00-11:30 プレゼン準備 サンプリング室
11:30-12:30 昼食(各自) セミナー室
12:30-14:00 報告会 グループ毎に実習報告 サンプリング室
14:00-15:00 概説・総括 池原研

コア解析基礎コースの内容

レクチャー

8月16日午後、「IODPの概要」と「JAMSTECコアキュレーション」を紹介するレクチャーを実施した(写真1)。8月17日午前及び午後の始めにかけて、「岩相記載概論」、「非破壊計測概論」、「スミアスライド概論」と題する2つの全体レクチャーを行った(写真2)。レクチャーは、日本人学生の理解度を高めることを優先し、日本語でレクチャーを行うこととしたが、講師の判断で、英語での説明を補足した。一方、レクチャーノートは全て英語で表記し、留学生にレクチャー後と実習中に補足説明した。

プレレクチャー(IODP概要)

写真1. プレレクチャー(IODP概要)

プレレクチャー(IODP概要)

写真2. 全体レクチャー(岩相記載概論)

実習コア

岩相記載や非破壊計測などの実習には、2015年の「かいれい」によるKR15-10航海(首席:佐川拓也氏)において日本海で採取されたコアを用いた。これらの実習コアを使うことによって、日本海堆積物特有の明色層と暗色層の互層やラミナ、生物擾乱、テフラなどを観察することが出来る。また、堆積物の構成粒子としては、鉱物粒子や粘土鉱物、珪藻、放散虫、有孔虫などの微化石、火山ガラス、パミスなどの火山噴出物など、多岐にわたる粒子を観察することが出来た。

実習の概要

8月17日の全体レクチャー後に実習を開始することで、座学で学んだことを即実践するスケジュールとした。実習では、2つのグループにそれぞれ2本(2 m)のコアを提供し、約2時間のコアタイムでローテーションしつつ、肉眼岩相記載、スミアスライド観察、マルチセンサーコアロガー計測/X線CT撮影の実習を行った(写真3, 4)。分光測色計による色測定実習は随時行った。

コア記載実習

写真3. コア記載実習

マルチセンサーコアロガー計測実習

写真4. マルチセンサーコアロガー計測実習

例年開催してきたコアスクールと同様に、各実習では、担当講師が観察法、データ解析法などのノウハウをレクチャーした。マルチセンサーコアロガー、分光測色計、X線CTスキャナーなどの装置を使った実習では、参加者が装置の概要、原理を理解することに主眼を置いた。2日目は、スミアスライド観察と岩相記載を中心に、グループごとに作業を行い、非破壊計測データと岩相・堆積物組成との関係などについて議論を展開し、データのまとめを進めた。各グループのチューターは実習の進め方やデータのまとめ方をアドバイスした。

最終日の午前にはコア記載の結果をまとめ、午後にグループごとに発表する報告会を実施した。データのまとめでは、各班がデータをクラウド共有しながら、各自のパソコンでプレゼンテーション資料を作成し、感染症対策を工夫しながら作業を進めるなど、これまでにはなかった光景も見られた(写真5)。報告会はサンプリング室で実施し(写真6)、実習コアを見ながら、それぞれのグループが日本語もしくは英語で報告を行い、講師陣を交えて質疑応答やアドバイスを行った。また、最後に池原 研氏が日本海堆積物を用いた古環境変動解析の例を紹介し、実習コアからわかる具体的な研究例を示した。

コア記載結果のまとめ作業

写真5. コア記載結果のまとめ作業

報告会

写真6. 報告会

※今回は、COVID-19対策として、「新型コロナウイルス感染症拡大防止のための高知大学の活動指針」を基に感染拡大防止のための各種方策を実施しながらの開催となりました。

過去のコア解析基礎コース実施実績

実施日場所備考
2022年8月(水)〜19日(金)(3日間) ※16日はプレイベント高知コアセンター
2022年3月17日(木)〜20日(日)(4日間) COVID-19により中止高知コアセンター
2021年はCOVID-19により実施なし
2020年3月12日(木)~15日(日)(4日間) COVID-19により中止高知コアセンター
2019年3月14日(木)~17日(日)(4日間)高知コアセンター
2018年3月8日(木)~11日(日)(4日間)高知コアセンター
2017年3月9日(木)~12日(日)(4日間)高知コアセンター
2016年3月10日(木)~13日(日)(4日間)高知コアセンター
2015年3月9日(月)~12日(木)(4日間)高知コアセンター
2014年3月3日(月)~6日(木)(4日間)高知コアセンター
2013年3月2日(土)~5日(火)(4日間)高知コアセンター
2012年3月6日(火)~9日(金)(4日間)高知コアセンター
2011年3月10日(木)~13日(日)(4日間)高知コアセンター
2010年3月8日(月)~ 11日(木)(4日間)高知コアセンター
2009年3月14日(土)~17日(火)(4日間)高知コアセンター
2008年3月15日(土)~18日(火)4日間高知コアセンター
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