Exp. 397: Iberian Margin Paleoclimate
船上レポート
船上レポート
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船上レポート5
(2022年 12月12日受領)
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船上レポート4
(2022年 12月10日受領)
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船上レポート3
(2022年 11月06日受領)
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船上レポート2
(2022年 10月17日受領)
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船上レポート1
(2022年 10月14日受領)
船上レポート1:JOIDES Resolution号に乗船しました
池田 尚史(山口大学 大学院生)
こんにちは、IODP第397次研究航海にPhysical propertiesとして参加する山口大学の池田尚史です。本日、隔離期間を過ごしたホテルを離れ、ついにJOIDES Resolution号(以下JR号)に乗船しました。初乗船です。JR号の第一印象は「船体大きい!やぐら高い!」。
船内ツアーでは様々な施設を案内してもらいました。研究設備の充実はもちろんのこと、シアタールーム、ジム、エスプレッソマシーンなど普段の生活ではあまり馴染みのない設備までありました。
さらに、ジュース飲み放題、アイス作り放題みたいです。これから2ヶ月間、楽しく充実したものにしたいです。
船上レポート2:いよいよ出航!翌日にはもうCore on deck!
黒田 潤一郎(東京大学・大気海洋研究所 准教授)
こんにちは。IODP第397次研究航海にPhysical propertiesとして参加している東京大学の黒田潤一郎です。JOIDES Resolution 号は、リスボン港での5日間のポートコールを終え、10月16日の朝8時頃(日本時間16日16時頃)、曇り空の中リスボン港を出航しました。
出航後、わずか半日で最初のサイトU1586 (水深4800m)に到着。次々にパイプを繋いで伸ばし、翌10月17日のお昼には最初のコアリングが始まりました。最初の Core on Deck! は正午頃。そちらは空振り。水が入っていただけでした。どうやら事前調査で得た水深よりも、実際の水深が深かったようです。次のコアリングで、記念すべき最初のコアが上がってきました。これから2カ月間、休む間のない作業が続きます。
船上レポート3:乗船して驚いたこと
池田 尚史(山口大学 大学院生)
こんにちは、山口大学の池田尚史です。乗船して早1ヶ月が経過しました。毎日、合計で百メートル近くもの長さが上がってくる堆積物コア試料の分析に追われながらも、楽しく充実した日々を過ごしています。
さて、今回の船上レポートでは、自分が個人的に感じたちょっとした驚きについて書いてみたいと思います。
先ずは、コアキャップについてです。僕が以前に乗った調査船は、トップに白、ボトムに赤のキャップを用いていました。この色は、雲とマグマを表していると教えられて、「なるほど、分かりやすい!」と思った覚えがあります。ところが、JR号ではトップは青、ボトムは(ほとんどの場合)白となっています。コアキャップの色は船によって違うんだと驚きました。
次に、ラボの様子についてです。JR号のラボは、絶えることなく分析・研究活動を続けています。僕も一日の約半分をこのラボで過ごすのですが、その間、かなりの頻度で音楽が流れています。科学者も技術者も皆さんノリノリで、鼻歌が聞こえてくることも。はじめて音楽が流れたときは、とても驚きました。
JR号での生活は、毎日が驚きと発見の連続でとても面白いです。
船上レポート4:Ship Tour 船内中継
黒田 潤一郎(東京大学・大気海洋研究所 准教授)
Expedition 397は、12月8日に最後のサイトU1588での掘削を終え、全てのコアフローが完了しました。合計回収コアの全長は実に
6176.72 m に達しました。2か月間、怒涛のコアフローでした。
現在,船はジブラルタル海峡を越えて地中海を東に向かっております。あとはサイトレポートを改訂し、ポストクルーズの個人サンプルリ
クエストを改訂・再提出したら終わりです。
全体ミーティングで Outreach Officer から報告があり、わが日本は船内中継ツアー4回で、全体の3位タイ(断トツ1位はポルトガル35
回!、2位は米国26回、日本と同回数はインド)とまずまずの結果でした。閲覧者数はまさかの350万3373名!ただし、ここには中国の
ニュース番組で生中継された際の視聴者数350万人(概算)が含まれています。それを除いても、合計3,373名が閲覧しました。非常に活発
なアウトリーチが展開されました。
日本との中継は、以下の4件でした。
- 東京大学柏キャンパス一般公開(日本側ホスト: 秋澤紀克さん、松崎賢史さん)
- 福井県児童科学館エンゼルランド(日本側ホスト: 諸野祐樹さん)
- 大阪府立大手前高校(日本側ホスト: 益田晴恵さん、大手前高校 黒松俊基教諭)
- 名城大学附属高校(日本側ホスト: 木戸ゆかりさん、名城高校 羽石優子教諭)
と、多くのJ-DESCの方にサポートしていただき実施できました。
池田さんはシフトの関係で日本と時間が合わない中、エンゼルランドとの中継ではオフシフトに睡眠時間を削って参加してくれました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
※本航海のOutreach Officer 、Amy氏による船上アウトリーチイベント紹介はこちら
Reaching out to the world from onboard the JR – JOIDES Resolution
※Expedition 397 の乗船研究者の声(オーディオグラム)はこちらから
Voices of Expedition 397, Part 1 – JOIDES Resolution
船上レポート5:掘削終了
池田 尚史(山口大学 大学院生)
現在、本船は下船場所であるスペイン・タラゴナへ移動中です。掘削、分析、レポート執筆が無事に終わってほっとしています。
振り返ると、二か月前には見ず知らずだった乗船者たちとも今ではすっかり友達になれました。迷路みたいだった船内も今では自宅のような居心地の良さです。何もかもが新鮮で、充実した二か月間でした。この航海を無事に終了することができうれしい反面、少し寂しくも感じます。
このような機会を与えてくださった本航海の乗船者・関係者の皆様に心から感謝します。特に同じ研究グループの黒田さん、Mayさん、
Sarayさんには分析だけでなく船内生活も含めあらゆる面で助けてもらいました。J-DESCの木戸さん、江橋さん、監物さんには乗船にあたり旅程の決定、保険への加入など手厚いサポートをしていただきました。担当教員の川村先生には本航海への応募、研究テーマに関して有益なアドバイスを頂きました。ありがとうございます。
下船後も、半年後にサンプリングパーティー、2年後にポストクルーズミーティングといった具合でこのプログラムは継続されます。本航
海で掘削された堆積物が科学の発展に寄与できるように、僕も自身の研究活動を通じて微力ながらお力添えできたら幸いです。