会長挨拶(2017年度定例総会)

J-DESC会長留任に当たって

2017年(平成29年)5月24日
東京海洋大学特任教授(東京大学名誉教授) 木村 学

J-DESC会員の皆様、引き続きご活躍のことお喜び申し仕上げます。
J-DESC会長に留任するに当たって一言ご挨拶申し上げます。

海底掘削計画は1968年にアメリカのDSDP(深海掘削計画)に始まり、来年で半世紀となります。最初のDSDPは海洋底拡大説、プレートテクトニクスの証明という科学史上の大きな足跡を残しました。日本は、2003年以来掘削プラットホーム「ちきゅう」を世界に提供していますが、2013-2023年は、IODP(International Ocean Discovery Program)として進められています。その科学目的は、地球の過去・現在・そして未来への理解を一層深めることです。地球環境・海洋の変動、地下深部生命圏の理解、地球内部・表層ダイナミクスの理解、そして人生時間スケールでの自然災害の理解です。ICDPでも科学目的は共有していますが、加えて持続可能な地球環境、資源エネルギー、そして自然災害と人間社会との強いコミットを掲げています。

今期のIODPはほぼ半分の期間が過ぎ、後半へ差しかかろうとしています。激動する世界の不安定と未来を考えるとき、地球全体を見つめた私たちの、科学における共同と協力の意義は一層明確です。

日本内を見ても、科学・技術・学術を推進するコミュニティーの激動が一層進み、これからの2年間はその先を如何に力強く進めるかを考えるときに大変大事な時となっています。

旺盛に研究活動を展開し、IODP-ICDPの科学目的を達成するために、J-DESCを一層活力のあるコミュ二ティーへと発展させるために、皆様と共に歩みたいと決意しております。今後とも引き続き一層のご指導、ご教示のほどお願い申し上げます。

 

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