Exp. 317 Canterbury Basin Sea Level

航海概要

テーマ

Global and Local Controls on Continental Margin Stratigraphy:  Canterbury Basin, Eastern South Island, New Zealand

航海期間

2009年11月4日~2010年1月4日

掘削船

JOIDES Resolution/USIO

J-DESC推薦の乗船研究者
氏名 所属(乗船時) 乗船中の役割
保柳康一 (信州大学) Co-Chief Scientist
浦本豪一郎 (千葉大学) Sedimentologist
大井剛志 (熊本大学) Paleontologist (benthic foraminifera)
河潟俊吾 (横浜国立大学) Paleontologist (planktonic foraminifera)
須藤 斎 (名古屋大学) Paleontologist (Diatom)
田辺 晋 (産業技術総合研究所) Sedimentologist
村越直美 (信州大学) Sedimentologist
吉村寿紘 (東京大学) Inorganic Geochemist

掘削サイト

航海の目的

ニュージーランド南島の東側の陸棚と陸棚斜面上を掘削するIODP Expedition 317は,陸域縁辺の地層のサイクル(堆積シーケンス)形成における汎世界的海水準変動と地域的な構造運動との役割を理解するために計画されものです.こ の陸棚下のカンタベリー堆積盆地に堆積している漸新世から現世(2600万年前から現在)までの堆積物に焦点をあて,この地域の早い堆積速度によって保存 されていると考えられる50万年から100万年周期の堆積シーケンスを解析することがこの計画の主要な目的です.掘削地点の水深は,陸棚上で85mから 121m,陸棚斜面上で346mと大変浅い海域での掘削になります.このような浅海域での陸源堆積物の掘削は,ニュージャージー沖陸棚でのODP174A 次航海の経験が物語るように,未固結砂が回収しづらいことから大変困難です.しかし,今回の掘削地点は,地震波断面からより細粒な岩相が予想されてお り,ODP174次航海では十分な成功を収められなかった陸棚上での堆積サイクルを持った地層の回収が期待できます.

水深200m以下の陸棚は,現在の高海水準期には泥質堆積物で覆われています が,海水準低下と共に砂質堆積物に代わり,そして場合によっては海岸線が陸棚斜面近くまで前進することによって,陸上で侵食を受けます.ジョイデスレゾ リューソン号による今回の航海では,第1に陸棚および陸棚斜面の過去1000万年の連続的な地層記録を得て,地震波断面によって予想されている海進・海退 の様式変化を直接読み解くことを目的としています.さらに,汎世界的海水準変動と横ずれプレート境界であるアルパイン断層の活動によるニュージーランド南 島の隆起過程変遷の解明を目指しています.

なお,天候条件などにより陸棚上の掘削が不可能な場合は,陸棚斜面下に形成されているドリフト堆積物を掘削することにより,その形成史と古海洋変化との関連についての副研究テーマを追求する可能性もあります.

関連ページ

>>http://iodp.tamu.edu/scienceops/expeditions/canterbury_basin.html(USIO)

IODP関連出版物

著者/タイトル 出版物
2010 Fulthorpe, C.S., Hoyanagi, K., Blum, P., and the Expedition 317 Scientists

Canterbury Sea Level -Expedition 317 of the riserless drilling platform Townsville, Australia, to Wellington, New Zealand

Proceedings of the IODP
Expedition 317 Scientists

Canterbury Basin Sea Level: Global and local controls on continental margin stratigraphy

IODP Preliminary Report
2009 Fulthorpe, C.S., Hoyanagi, K., Blum, P., and Geldmacher, J.

Global and local controls on continental margin stratigraphy: Canterbury Basin, eastern South Island, New Zealand

IODP Scientific Prospectus

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