テーマ
Cascadia Margin Gas Hydrates
航海期間
2005年8月28日~10月29日
掘削船
JOIDES Resolution

掘削地点
J-DESC推薦の参加研究者
氏名 | 所属(乗船時) | 乗船中の役割 |
秋葉文雄 | (有限会社珪藻ミニラボ) | Paleontologist |
金子雅紀 | (岡山大学) | Organic Geochemist |
北島弘子 | (テキサスA&M大学) | Physical Properties Specialist |
橋本善孝 | (高知大学) | Sedimentologist |
東 陽介 | (産業技術総合研究所) | Microbiologist |
吉岡秀佳 | (産業技術総合研究所) | Microbiologist |
航海の目的
天然ガスを起因とするガスハイドレートは、主に海洋の大陸斜面や陸上の永久凍土で見られる。近年の研究によって、海洋の大陸斜面のなかでも特に付加体※に はガスハイドレートが安定的に存在可能な低温・高圧の領域があり、この安定領域の最下部には、海洋プレートが沈み込む際に受ける力によって付加体が圧縮す る時にできる堆積物粒子等の割れ目を縫ってメタンが上昇し、海底面と平行に大量のガスハイドレート層を形成している可能性が示唆されている。他方、上昇す るメタンのうち、一部が局所的に存在する上昇流に運ばれ、海底面近くにおいてガスハイドレート集積域を形成している可能性も示唆されており、この集積域に おけるガスハイドレート量の変化は気候変動と密接な関係があると考えられている。
本調査航海では、カナダ西部バンクーバー島沖に位置するカスカディア付加体の北部にあるガスハイドレート存在域において、5箇所 (水深約900~2500m、海底下約200~400m)の掘削を横断的に行う予定である。また、掘削後には掘削孔を利用した物理計測や長期孔内計測機器 の設置も行う。これらの調査を行うことにより、主に微生物が海底堆積物中の有機物を分解することによるメタンの生成、広域的および局所的な流体移動による メタンの上昇、安定領域最下部における広域的なハイドレート層へのメタンの取込みおよび海底面近くでの局所的なガスハイドレートの集積、拡散によるハイド レートからのメタンの逸脱等のプロセスに関する解析が行われる予定である。
これらの解析を行うことで、付加体中における海洋ガスハイドレート形成モデルの構築および気候変動によるハイドレート変動の解明が期待される。
※付加体:海溝等において海洋プレートが沈み込む際に、海洋底に溜まった堆積物が陸側へ押し付けられ、積み重なったところ
関連ページ
>>http://iodp.tamu.edu/scienceops/expeditions/exp311.html(USIO)
年 | 著者/タイトル | 出版物 |
2006 | Riedel, M., Collett, T.S., Malone, M.J., and the IODP Expedition 311 Scientists
Stages of Gas Hydrate Evolution on the Northern Cascadia Margin |
Scientific Drilling |
Riedel, M., Collett, T.S., Malone, M.J., and the Expedition 311 Scientists
Cascadia Margin Gas Hydrates |
Proceedings of the IODP | |
2005 | Expedition 311 Scientists
Cascadia margin hydrates |
IODP Preliminary Report |
Collett, T.S., Riedel, M., Malone, M.J., and the Expedition 311 Project Team
Cascadia margin hydrates |
IODP Scientific Prospectus | |
Riedel, M., Collett, T.S., and Malone, M.J.
Cascadia margin hydrates |
IODP Scientific Prospectus, addendum |