Exp. 382 Iceberg Alley Paleoceanography & South Falkland Slope Drift

航海概要

航海概要

テーマ

Iceberg Alley Paleoceanography & South Falkland Slope Drift

 

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航海予定期間

2019年3月20日~5月20日

掘削船

JOIDES Resolution

乗船/下船地

Punta Arenas to Punta Arenas, Chile

掘削地点

アムンゼン海(南極海)

科学目的

Expedition 382 aims to recover 600 m long Late Neogene sedimentary sequences from the Scotia Sea to reconstruct past variability in Antarctic Ice Sheet (AIS) mass loss, oceanic and atmospheric circulation and to provide the first spatially integrated record of variability in iceberg flux from Iceberg Alley, where a substantial number of Antarctic icebergs exit into the warmer Antarctic Circumpolar Current (ACC). This will (a) constrain iceberg flux during key times of AIS evolution since the Middle Miocene glacial intensification of the East Antarctic Ice Sheet, (b) provide material to determine regional sources of AIS mass loss, address interhemispheric phasing of ice-sheet and climate events, and the relation of AIS variability to sea level, (c) provide information on Drake Passage throughflow, meridional overturning in the Southern Ocean, water-mass changes, CO2 transfer via wind-induced upwelling, sea-ice variability, bottom water outflow from the Weddell Sea, Antarctic weathering inputs, and changes in oceanic and atmospheric fronts in the vicinity of the ACC, and (d) provide dust proxy records to reconstruct changes in the Southern Hemisphere westerlies to evaluate climate-dust coupling since the Pliocene, its potential role in iron fertilization and atmospheric CO2 drawdown during glacials. Expedition 382 will also core a sediment drift on the Falkland slope to obtain subantarctic multi-proxy intermediate water depth records of millennial to orbital scale variability in the ocean, atmosphere, nutrients, productivity and ice-sheet dynamics in the SW Atlantic through at least the last 1 Ma.

 

詳細についてはJRSOのページをご参照ください。

 

共同首席研究者

Mike Weber and Maureen Raymo

J-DESCからの乗船研究者
氏名 所属 役職 乗船中の役割
飯塚 睦 北海道大学 大学院生(修士課程) Sedimentologist
加藤 悠爾 名古屋大学 博士研究員 Diatom Micropaleontologist
関 宰 北海道大学 准教授 Organic Geochemist

 

乗船に関わるサポート情報

乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。

  1. プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
  2. 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
  3. アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
  4. 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費

乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら

お問い合わせ

J-DESCサポート
海洋研究開発機構 横浜研究所内
E-mail: infoの後に@j-desc.org
Tel: 045-778-5703

募集情報

募集情報

募集分野

制限なし

応募方法

応募>>こちら 募集は終了しました
応募用紙の記入方法>>こちら

募集〆切

2017年10月15日(日)
2017年12月15日(金) 
延長しました

 

Information Webinar

October 9, 2017, at 12:00 pm EDT
(日本時間 2017年10月10日 午前1時)

To learn more about the scientific objectives of the expedition, life at sea, and how to apply to sail, please join us for this web-based seminar.
To participate in a webinar, you need access to the Internet and a computer with a microphone and speaker capability or a telephone. To register, click on the link below.

>>Information Webinar registration  for Exp. 382

After registering, you will receive an email response with instructions on how to join the webinar.

注意事項

応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。

 

船上レポート

最終更新日:2019年5月9日
※日付は日本時間

レポートインデックス

  1. いざ南極
  2. 氷山視認(?)
  3. 外国人研究者との交流
  4. 興奮の日々…

 

興奮の日々…

2019年5月1日受領(5月9日公開)
飯塚 睦(北海道大学 大学院生)

はじめての投稿になります。
北海道大学修士2年飯塚睦です。
あまり余裕がなく船上レポートを書くまでに1ヶ月以上がたってしまいました。
残りの数週間は適度に更新していきたいと思います。
そんな記念すべき第1回目の投稿は、
乗船中の興奮の日々をお伝えできればと思います。

まず、なんと言っても憧れのJOIDES Resolutionに乗り込みコアを掘っているだけで大興奮です。今回の航海では、約3000m下の海底から数百mのコアを掘削しています。

そのコアには過去の情報(海水温や氷山流出など)がたくさん詰まっています。上がってきたコアを眺めながらこれが数十万年前に堆積したものなのか。と思い馳せています。

写真1 コア掘削のためのやぐら

更に、そんなすごいJRに乗り込む海外の研究者もビッグな人ばかりです。院生の私にとっては、今までに読んでいた論文の著者が目の前で話している!!と言う感じで、毎日ドキドキワクワクします。

あとは、南極近くの海での掘削なので氷山をたくさん見られることが最近の楽しみです。氷山は南極氷床が海へ流れ出し、切り離されたものなので、もともとは南極氷床の一部です。氷山を眺めながめていると、南極からどんな道をたどってきて、ここまで来たのか想像します。そして、高校生の時からの憧れであった南極大陸を想像し、気づけば数時間も氷山を眺める毎日です。

写真2 荒れ狂う南極海を通り抜けてきた氷山

そんな興奮の毎日にも最近は慣れてきて、残りの日々、これ以上の楽しみはあるのかと不安です。しかし、2回目の乗船で悟りを開きつつある指導教員の関先生、いつも穏やかで前向きな加藤さん、この2人が情緒不安定な私を優しく見守ってくれているおかげでなんとか生きて日本に帰れる気がします。

写真3 氷山を眺める加藤さん

 

外国人研究者との交流

2019年4月18日受領(4月22日公開)
加藤 悠爾(高知大学 JSPS特別研究員)

第1回目のレポートにもあるように2019年4月から所属が高知大学に移りました、加藤悠爾です。
IODP乗船というだけでも十分に刺激的な経験ですが、さらに乗船中に所属が変わる(そして年号も変わる)、という稀有な体験までできることとなりました。

さて今回は、しょうもないネタですが、今後乗船される方々および海外の学会等に初めて行かれる方々に役立つ…かもしれないことを書きたいと思います。

先に結論から申しますと、いろんな国の挨拶やごく簡単なフレーズを覚えておくと良いかもね、ということです。

この世界では英語が公用語なので、英語を一生懸命勉強することはもちろん必須です(多くの日本人は、私も含め、英語が堪能とはとても言い難いですし、苦手意識を持っている人も少なくないと思います)。
ただ、サイエンスそのものに関しては、論文を読んだり書いたりすることで英語の専門用語も覚えているわけですから、自分の頭のなかにはっきり伝えたいメッセージがある限りは(ついでに相手がちゃんと聞こうとしてくれれば)、たどたどしい英語でも時間をかければ一応どうにかこうにか伝わります。
しかし、一緒に何かに取り組むにあたっては、研究の話だけでなく、相手との心の距離を縮めることも大事です。

ここで、よくよく研究者らの顔ぶれを考えてみると、英語のネイティブススピーカーは意外と多くありません。
つまり彼らの多くは、我々と同じく、第一外国語として英語を勉強してきた人たちです。
そういった人たちに、彼らの母国語で話しかけてみるのです。
例えば、スペイン出身の人に何か手伝ってもらったときには「Gracias!」、ラボから居室に帰るとき、ドイツ出身の人に向かって「Gute Nacht!」とか「Bis bald!」とか言ってみる、みたいな感じです。
逆の立場に立って考えるとわかりやすいですが、例えば、外国の見知らぬ土地にいるときに思いがけず日本語で声をかけてもらえたら、何だか暖かい気持ちになりますよね。

今回の航海ではこの作戦が見事にはまって(?)、相手の外国人研究者は驚きながら嬉しそうな表情で返事をしてくれました。これを境にして相手ともかなり打ち解けたような感じがしています(注:あくまで個人の感想です)。

この作戦は英語ネイティブには通用しませんが(笑)、距離を縮めるための第一歩として、もしよかったら使ってみてください。

 

氷山視認(?)

2019年4月18日受領(4月19日公開)
加藤 悠爾(高知大学 JSPS特別研究員)

こういった類の研究航海では、24時間体制で各種の分析を行う必要があるため、乗船研究者はシフトを組んで各自のお仕事をしています。現在乗船中のJR号では、12時間交代制のシフトとなっています(夜シフト[00:00〜12:00]と昼シフト[12:00〜24:00])。

筆者は夜シフトに割り当てられたため、22:30とか23:00とかに起きて、翌日午後のばっちり太陽が昇っている時間帯に就寝するという生活リズムとなっています。体内時計をアジャストするのが難儀ですが、日本が昼間の時間帯に活動できるので、これはこれである意味ありがたいのかもしれません。

さて、そんな夜シフトの特権のひとつは、綺麗な日の出を見ることができるという点でしょうか。そんなわけで夜シフトの人たちは、いい頃合いになると休憩がてら甲板にぞろぞろと連れ立って出て行き御来光を拝むのです(写真1, 2)。

写真1 甲板から眺める日の出

写真2 日の出を眺める夜シフトの人々

そんなある日、何人かで甲板で朝日を眺めているときに、
「あそこ!氷山!」という声が。

指さされた方角をみると、確かに遠くの方に白い物体が(写真3)。
甲板の人々がにわかにざわつきます。

写真3 初氷山?

しかし、ここはまだ緯度55度もいっていない、まだまだ“暖かい”海域です(風が強いこともあり人間にとってはすでに寒い…)。
そんな”生ぬるい”ところに氷山があるはずもなく、よくよく見たら、なーんだただの白い船じゃないか、ということがわかり(写真4)、一同顔を見合わせて笑いましたとさ。めでたしめでたし。

写真4  写真3を拡大.氷山(?)の正体は…?

氷山・海氷・ペンギン・アザラシ・クジラの5点セットを早く拝みたいものです。

 

(注)第1回目のレポート同様に過去の出来事を振り返りながら執筆しています。
(注)4月5日ごろ、ついに本物の氷山とも遭遇しました。
(注)クジラの姿も見ることができました。ただ、他の乗船者が撮った写真を見せてもらうと、船にかなり近いところまで泳いできていたタイミングがあったようで、それを逃したかと思うと、少しだけ損した気分です。今後に期待。

 

いざ南極

2019年4月6日受領(4月10日公開)
加藤 悠爾(高知大学 JSPS特別研究員)

はじめまして。高知大学(乗船当時:名古屋大学)の加藤悠爾です。

乗り継ぎ3回、30時間を超えるロングフライトを経て、遠路はるばる、チリのプンタアレナスまでやってきました。
これから南極の海で2ヶ月にわたる研究航海(IODP Exp. 382 アイスバーグアレー)が始まります(注:航海が始まってしばらく経っています。余裕がなく乗船レポート執筆が遅くなりました。いろいろ出来事を振り返りながら執筆中です)。

私たちが乗船する船はこちら(写真1)、船体中央部のやぐらが特徴的なJOIDES Resolution号です。
海底には、何百万年(場合によっては何千万年)もの時間をかけて積もった地層が広がっていて、これが過去の地球環境を知るための重要な手がかりとなるのですが、JOIDES Resolution号はこういった海底の地層を掘削・分析することに特化した研究船です。

写真1 プンタアレナスに停泊中のJOIDES Resolution号. 「JR」という略称で呼ぶことが多いです.

さて、私たちがプンタアレナスの宿につくと、一つ前の研究航海(IODP Exp. 379@アムンゼン海)を終えて下船したばかりの日本人研究者・堀川さん(富山大)とお会いすることができ、”クロスオーバーミーティング”(と称した宴会)を行いました(写真2)。
ちなみに今回の航海では、筆者を含めて3人の日本人研究者が乗船します。
写真左上が日本人部隊隊長として抜かりなく酔い止め薬を60錠も持参した関さん、左下が関さんの愛弟子で抜群の行動力が持ち味の飯塚さんです。

写真2 左上から時計回りに関さん, 堀川さん, 加藤(筆者), 飯塚さん. プンタアレナスの一角にあるレストランにて. 海に近いためか海鮮スープが美味しかったです.

IODP航海では、専門分野にしてもキャリアにしても国にしても多種多様な研究者・院生が参加しています。
Exp. 379を終えた堀川さんは、航海期間中に外国人研究者といろいろ話をしているなかで、次の研究に繋がりうる新しいアイデアが得られたとおっしゃっていました。
この航海では、船上でのお仕事を遂行するだけにとどまらず、こういう場所ならではの、人との繋がりやインスピレーションといったものも得られたらいいなあと思います。

 

報告書類

  • プレクルーズトレーニング
    開催期間:2019年2月19日~21日
    開催場所:名古屋大学
    開催報告:PDF

 

カテゴリー: IODP Expedition パーマリンク

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