航海概要
テーマ
Testing Hypotheses for Lithosphere Thinning During Continental Breakup: Drilling at the South China Sea Rifted Margin
プロポーザル#878-CPP>>こちら(フルバージョン)
プロポーザル#878-Add>>こちら(フルバージョン)
Scientific Prospectus>>To be published
航海予定期間
Exp. 367:2017年2月7日~4月9日
Exp. 368:2017年4月9日~6月11日
掘削船
JOIDES Resolution
乗船/下船地
Exp. 367:香港/香港
Exp. 368:香港/上海
掘削地点
科学目的
The two South China Sea (SCS) Rifted Margin Expeditions (based on IODP Proposals 878-CPP and 878-Add) aim to understand the mechanisms of lithosphere extension during continental breakup at a non-volcanic rifted margin.
The SCS margin shows similarities to the hyper-extended Iberia-Newfoundland margins, possibly including exhumed and serpentinized mantle within the Continent-Ocean-Transition (COT). However, modeling studies suggest that there can be mechanisms of plate weakening other than serpentinization of sub-continental lithospheric mantle. Two competing models for plate rupture (in the absence of excessively hot asthenospheric mantle) have widely different predictions for development of the SCS margin.
To discriminate between these models, a series of deep-penetration sites will be drilled across a 150–200 km wide zone of highly extended seaward-thinning crust with a well-imaged COT zone. Coring and logging deep/basal sediments and the underlying basement is the primary objective.
The proposed drill sites determine the nature of crust within the COT and constrain (a) post-breakup crustal subsidence, (b) how soon after breakup igneous crust started to form, (c) timing of rifting, and (d) rate of extension. The science objectives can be effectively addressed at these drill sites because of the existing constraints on SCS formation and stratigraphy that include industry drilling, ODP Leg 184 and IODP Expedition 349 drilling, as well as due to the young (Paleogene) rifting of the margin and absence of excessively thick post-rift sediments.
掘削サイトの概要(Primary siteのみ)
掘削サイト | 岩相・堆積環境 | 年代 | 掘削深度 | コアリング方法 |
---|---|---|---|---|
SCSII-1B | Sediments: Mudstone, sandstone (Deep marine) Basement: Serpentinite/Basalt |
Early Miocene | Sediments: 1,388 m Basement: 250 m (水深: 3,718 m) |
APC, RCB |
SCSII-3B | Sediments: Madstone, sandstone (Shallow to deep marine, lacustrine to marine) Basement: Sandstone or upper crustral rocks |
Oligocene | Sediments: 1,002 m Basement: 100 m (水深: 2,928 m) |
APC, RCB |
SCSII-8A | Sediments: Mudstone, sandstone (Shallow to deep marine, lacustrine to deep marine) Basement: Serpentinized peridotite, basalt |
Oligocene | Sediments: 1,323 m Basement: 100 m (水深: 3,801 m) |
RCB |
SCSII-9A | Sediments: Mudstone, sandstone (Deep marine) Basement: Serpentinite/Basalt |
Oligocene | Sediments: 1,552 m Basement: 100 m (水深: 3,864 m) |
RCB |
※コアリング方法について
- APC (Advanced Piston Corer):軟質なウーズや堆積物に使用される
- RCB (Rotary Core Barrel):結晶化した硬質な堆積物に使用される
JRSOのページ>>こちら
共同首席研究者
Exp. 367: Z. Sun and J. Stock
Exp. 368: Z. Jian and K. McIntosh
J-DESCからの乗船研究者
Exp. | 氏名 | 所属 | 役職・身分 | 乗船中の役割 |
---|---|---|---|---|
367 | Kan-Hsi Hsiung | JAMSTEC | 研究員 | Sedimentologist |
古澤明輝 | 島根大学 | 大学院生 (博士課程) |
Foraminfer Micropaleontologist | |
368 | 大園宣明 | 山口大学 | 大学院生 (修士課程) |
Petrophysics (Physical Properties) |
乗船に関わるサポート情報
乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。
- プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
- 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
- アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
- 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費
乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら
お問い合わせ
J-DESCサポート
海洋研究開発機構 横浜研究所内
E-mail: infoの後に@j-desc.org
Tel: 045-778-5703
募集情報
募集分野
制限なし
追加募集分野
- Sedimentology
- Petrology
- Organic geochemistry
- Nannofossil, foraminifer and diatom micropaleontology
応募>>こちら
応募用紙の記入方法>>こちら
募集〆切
2016年1月15日(金)
2016年2月29日(月)
2016年5月8日(日) 募集は終了しました
注意事項
応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。
最終更新日:2017年6月16日
※日付は日本時間
レポートインデックス
Exp. 368(2017年4月9日~6月11日)乗船レポート
レポート5(2017年6月11日)>>最後の航海記録~幸運な邂逅と手に入れたもの~
レポート4(2017年5月31日)>>飴の行方と地元高校との中継イベント
レポート3(2017年5月18日)>>コップの帰還とX368ピンポン大会
レポート2(2017年5月4日)>>水圧圧縮実験スタート!~いざ深海へ~
レポート1(2017年4月25日)>>JR食事紀行~腹が減ってはなんとやら~
Exp. 367(2017年2月7日~4月9日)乗船レポート
レポート7(2017年4月8日)>>Memories of the expedition (お土産)
レポート6(2017年3月27日)>>Let’s have a 餃子パーティ!
レポート5(2017年3月18日)>>Happy Birthday Bill Crawfordさん!
レポート4(2017年3月9日)>>The Voice of the JR
レポート3(2017年3月1日)>>発泡スチロールカップ無事帰還!
レポート2(2017年2月23日)>>The video of JOIDES Resolution introduction
レポート1(2017年2月13日)>> Yuan-Shaw (元宵節)
Exp. 368(2017年4月9日~6月11日)乗船レポート
レポート5: 最後の航海記録~幸運な邂逅と手に入れたもの~
大園宣明 (山口大学 大学院生)
無事にラストコアをデックに迎え、最後の計測も終わりました。これで予定されていたイベントもすべて終了、EXP368の航海もあと数日でおしまいです。今回が最後の航海記録となります。
先日、ついにEXP368の公式ロゴが決定しました!どのデザインも素晴らしい出来だったため、一度の投票では決まりませんでした。そのため後日、得票率上位二つのロゴで再投票による決勝戦が行われることとなりました。そんな激戦を制し、見事公式ロゴとなったロゴがこちらです!
そして、先程話題に上げた最後のコアオンデックの数日前に、各々が持ち寄ったTシャツにプリントするパーティーが開催されました。もちろん僕もJRのTシャツにプリントの希望を出し、プリントTシャツの完成を心待ちにしていました。(ちょうど大量のコアオンデック週間だったため、シフト終わりの体力ではパーティーに参加できなかったのです…。)そして次の日、Tシャツは見事仕上がっていました!デザインもとてもよく、とても気に入っています。
現在は絶賛陸に向けて移動しているわけですが、移動中に海を眺めていると結構色々なものが見えます。掘削中はわりかし漁船を目撃することが多かったのですが、今は陸に比較的近い地点に向かっている関係かタンカー船といったような、何かを運んでいるような船を見かけることが多いです。といったように、移動中は景色が常に変化するということもあっていつも以上に外の景色を眺めていたわけですが、ついに!イルカを目撃することができました!人生初の水族館以外での生イルカです!…携帯もカメラも置いてきていたせいで写真は撮れませんでしたが、もしも持っていたらきっと大慌てで取り出していたに違いないので、海に落としていたかもしれません。それはともかく、イルカを見られたことはとても幸運だったなぁと思います。
そんなイルカとの邂逅で運を使い果たしてしまったのか、その後にあった『今回の航海で使用したドリルビットの抽選会!』では残念ながら外れてしまいました。全部で5つのドリルビットがあったのですが、当選者の方々は研究者が3名とIODPのスタッフの方々が2名でした。なんとなんと、当選した研究者の方々はすべて微化石グループの方々でした。
これにて最後の航海記録を締めくくりたいと思います。
ビッグサイエンスの最前線、国際掘削プロジェクトに関わらせて頂く機会をくださり、多大なるサポートをしてくださいましたJ-DESCの方々をはじめとしたすべての皆様に感謝申し上げます。
レポート4: 飴の行方と地元高校との中継イベント
大園宣明 (山口大学 大学院生)
X368ピンポントーナメントの優勝者はIODPスタッフのジェームズさんでした。決勝戦はとてもハイレベルな試合展開で、見学・応援側の科学者たちも白熱していました。
現在はBagsゲームという2人でチームを組み、お互いに袋を目標に向けて投げ合い、得点を競うというゲームのトーナメントが開催中です。もちろん今回もエントリーしていまして、パートナーはパレオマグネチームにエリックさんです。前回同様、二回戦でロバートさんと対戦することになり、リベンジを密かに誓っています。(コアが大量に上がってきたため、トーナメント自体は今は休止中です。)そんなこんなで毎日を楽しく過ごしつつ、第四回目の航海記録です。
先日、zoom(船内で使用できるSkypeのようなものです)を用いて、萩高校・美祢青嶺高校の二校と中継イベントを行いました。中継は、前半部分でアウトサイドを含めたごく簡単なJRツアーを行い、後半で高校生からの質問に答える、といった二部構成です。
前半部に関しましては、個人的な反省点は多くありますが、今こんなところにいて、こんな環境でやってます、という臨場感は少しばかり伝わったのではないかと思っています。そして後半部の質疑応答ですが、萩高校・美祢青嶺高校、どちらの生徒さんも予想以上に多くの質問をしてくださり嬉しい限りでした。研究に関する質問もあったのですが、船での生活に関する質問も多数いただきました。やはり、普段の日常生活とはかけ離れた環境ですので、関心の集まるところだったのかなぁと感じています。(船での生活は意外と不便もなく楽しいですよ!という旨をたくさんアピールできたのではないかと思います。)
短めではありますが、中継レポートでした。
萩高校・美祢青嶺高校の皆様、今回このような機会を設けて頂いた坂口先生をはじめとした関係者皆様、本当にありがとうございました。
レポート3: コップの帰還とX368ピンポン大会
大園宣明 (山口大学 大学院生)
乗船して早くも1ヶ月以上が経過しました。というところで、第三回目の航海記録です。
先日、深海へ送り出したコップ達が無事に船内へと帰還しました!帰ってきたコップ達は順番にテーブルの上に並べられ、軽く水洗いをしてほのかに香る海水の匂いを取り除き、少しの乾燥の後に研究者たちの手元に戻ってきます。その一連の作業はラボテクニシャンの方々によって執り行われ、見学は自由だったため数人の研究者の方々と共に作業の様子を見届けました。
自分のコップはいつ出てくるものかと、若干そわそわしながら待っていた所、無事に取り出される様子が確認できました。自分のコップが出てくるのを待っていたのは僕だけではなく、他の研究者の方々も同じだったようで、自身のものを見つけるとすぐにそれを手に取り、小さくなったコップに満足げな笑顔を浮かべていました。
普段体験できないような実験を体験できるというのは、船上生活の楽しみの一つだなあと感じました。
さて本日はもう一つ、話は大きく変わりますが、現在船内で絶賛白熱中のピンポントーナメントについてです。ナイトシフト18名、デイシフト18名の総勢36名で研究者とテクニシャンの方々入り混じってのトーナメントです。トーナメントはセミファイナルまではそれぞれのシフト内での対決で、先に2ラウンドを先取することができれば勝利となります。
JRには備え付のジムはありますが、なかなかスポーツで身体を動かす機会は少ないので、もちろん参加させてもらいました。ちょうど昨日1回戦が終了し、本日は2回戦、なんとか1回戦を勝てていたので2回戦も参加することができました。2回戦の対戦相手はドイツ人研究者のロバートさんです。少しのウォーミングアップの後、試合は始まりました。ラリーの応酬、手に汗握る接戦……といけばよかったのですが、結果はストレートで負けてしまいました。ちょこちょこと惜しい場面はあったので残念です…。とは言え、楽しかったことには間違いないうえ、果たして誰が優勝するのかとても楽しみなので、ここからは応援に徹して楽しみたいと思います!
ではでは、ロバートさんの優勝にこっそりと飴を賭けながら、今回はこれで締めくくりたいと思います。
レポート2: 水圧圧縮実験スタート!~いざ深海へ~
大園宣明 (山口大学 大学院生)
こんにちは、第二回目の航海記録です。日本はゴールデンウィークもおわり、そろそろ暑くなり始めてきた頃かと思います。こちらは他国の研究者の方と卓球をしたり、映画を見たり、外国のお菓子を頂いたり、逆に日本のお菓子をあげたりしながら日々を楽しく過ごしています。コーヒーは相変わらずおいしいです。最近、ドーナツだけではなくケーキもよく合うことを発見しました(海外のケーキは日本のものより甘みが強い気がします)。……も、もちろん遊んでいるだけではなく研究の方もはかどっております。
先日、以前の航海でも行われたイラストを描いたコップを沈める実験の準備がありました。今回は以前の航海とは違い、乗船している科学者が思い思いのイラストを描き、それを沈めるというものでした。もちろん僕もコップとペンを手に取り、思いついたものを描きました。さて何を描いたものかと少し考えたところ、咄嗟に浮かび上がったのは山口大学のマスコットキャラクター、ヤマミィでした。幸い、先日の卒業式で撮った写真の中に彼(?)がいたので、それを参考にしてみたところ……絶妙に違和感のあるヤマミィが完成しました。絵心、日本に忘れてきたかもしれません。それはともかくとして、比較的ポピュラーな実験ではありますが、日常生活の中で実際に体験できる機会は皆無と言っても過言ではない実験ですのでとても楽しみです。
そして昨日、深海に沈める準備も完了し、様々なイラストが描かれたコップが袋につながれました。コップに描かれた彼が無事に深海旅行から戻ってくることを願いつつ、戻ってきたコップは大学に戻った後で学生部屋の机の上に飾っておこうと思います。
ではでは、机のどこに飾ろうかを考えつつ、ここで締めくくり結果はまた次回に。
レポート1: JR食事紀行~腹が減ってはなんとやら~
大園宣明 (山口大学 大学院生)
ついにEXP368もスタートです。慣れない英語に若干苦戦しつつも、様々な異国の方々との交流や異文化に触れることができ、新鮮な気分で日々を過ごしているところです。2ケ月、なんとなくとても長く感じますが、早くも10日以上が経過し、時間の流れがとても速いことに驚いています。
今回が第一回目の航海記録です。今回は船内生活での食事事情について書いていこうかなぁと思います。
JRでは日に4回…朝・昼・夕方・深夜に2時間ずつ食事の時間が設けられています。ビュッフェ形式で、日替わりで様々な料理を食べることができます。日本ではなかなか見かけないようなメニューもありますが、食べてみるとおいしかったりすることも多く、色々な発見があります。航海が始まってすぐに食べた赤い肉料理(たぶん豚肉です)は、見た目で辛そうだと少し敬遠していたのですが、実際に食べてみるとまったくそんなことはなく、むしろ甘いくらいでした。サイズも小ぶりな一口サイズでとても食べやすいです。逆に、キュウリの漬物かな?と想像していたものが想定外の辛さだった時には飛び上がることになったりもしました。しばらく口の中が痛くなって、それだけはもう口にしないと静かに誓いました。…といった具合に、食事でも色々と挑戦をしながら日々を過ごしています。
また食事の時間とは別に、それぞれの食事の間の時間にコーヒーブレイクタイムがあります(早くも楽しみの一つです!)。文字通りの休憩時間で、私たちのチームの研究者や他チームの研究者の皆さんと、コーヒー片手にお菓子を食べながらの小休止です。最近のお気に入りはドーナツです。海外のお菓子はとても甘いので、コーヒーと一緒だととてもおいしくいただけます。
ではでは、第一回目航海記録を締めくくりたいと思います。
Exp. 367(2017年2月7日~4月9日)乗船レポート
レポート7: Memories of the expedition (お土産)
Kan-Hsi Hsiung (海洋研究開発機構 研究員)
古澤明輝 (島根大学 大学院生)
Now we are heading to Hong Kong. The dreamed IODP Expedition will finish soon. It is a very unique experience that we keep working 60 days without holidays. Today, we finish all scientific works in our final day of EXP367. Many Scientists help Photo Ninja and work together for JR logo T-shirt. Totally 110 T-shirts pressing were done. In our final Cross Over at 12:00, Akira is lucky to get the XCB bit from the lotteries, for his best memory of this Expedition.
(Kan-Hsi)
古澤第七回目航海記録です。今回が最終回となります。
とうとうこの時がやってまいりました。IODP Exp.367の終幕です。初めは長いと思っていた航海も終わりを迎えます。最期の頃は、一日一日がとても早く過ぎていきました。
そんな中で起こったイベントは、IODPの航海ではお決まりとなっている(私は話しに聞いていただけですが)航海をイメージしたデザイン作成です。研究者たちから思い思いのデザインを募集し、〆切までに出揃ったデザインを食堂エリアに張り出して研究者、テクニシャン、キッチンメンバー、その他JRに乗船している全ての人間からの投票で航海のデザインが決まります。今回は扇形の枠に水墨画のJRが描かれたデザインに決まりました。
デザインが決まった段階で全員にTシャツ作成案内のメールが届きました。希望者は複数枚のTシャツを自前で用意しておくことが知らされていたので、私もお土産用に何枚か用意しておきました。その後の作業はというと、専用の台紙に印刷したデザインをアイロンでシャツに貼り付けるのですが、その担当はなんとフォトニンジャでした!そして皆はフォトニンジャのサポートに回り、最後の共同作業を行ないました。見事に一枚も失敗することなく全員のTシャツが出来上がりました。皆が記念になったと喜んで出来上がったTシャツを着こなす姿は航海の終わりを知らせる姿にもなっていました。私と熊さんも同じJRの描かれたTシャツの裏側にデザインを貼り付けてもらったので記念にと撮影をしてきました。仕上がりは画像を参照してみてください。(3枚目)
そして最後の研究者達の会議の最終回にてとても喜ばしいイベントが待っていました。全グループの発表が終わり、今回の航海で得られた報告を終えた後で、アダムさんからとてつもなく貴重なプレゼントが公開されました。Exp.367での掘削に使用した「XCBドリルビット」です。これをクジにて一名にプレゼントしてもらえるとの知らせに全研究者が歓声を上げました。そしてなんと古澤がその幸運を手にすることができました。私はクジ運が無いのでとても吃驚するのと同時に未だに信じられません。クジにはイタリアのチョコレートが使われ当たりがすぐにわかるようになっているらしいのですが、当たりの特徴を聞きそびれた私は元々当たらないと思っていたのもあって熊さんと成り行きを見守っていました。するとなんということでしょう、私の引いたチョコレートは当たりの青色だったらしく見事「XCBドリルビット」を手にしました。これはこの航海で何よりの印象深いお土産になったと思っています。
こうしてExp.367の全日程が終了しました。私は研究船に乗っての研究はこの航海が初めての経験ですが、他の研究者やテクニシャン達、もちろん熊さんに恵まれたお陰で、とても充実した航海とすることができました。研究はもちろんのこと、船上での生活等も様々な方の助けがあっての成果だと考えています。この場を見ることができない方たちもいらっしゃるかと思いますが、心より感謝しています。
今後も機会に恵まれれば是非また乗船し、研究を続けて行きたいと思っています。そして今回得た経験を糧に帰国してからの研究に励んでいく所存です。
熊さんや様々なサポートをしてくださったJ-DESCの方々本当にありがとうございました。
レポート6:Let’s have a 餃子パーティ!
古澤明輝(島根大学 大学院生)
古澤のJR第六回目航海記録です。
私たちの航海も終盤に差し掛かってまいりました。段々と皆の元気も無くなって来る今日このごろです。チーフ達も研究者のモチベーション維持のために色々と企画をしていますが、今回のレポートは研究者側からの発案で開催されたパーティになります。
発案者は私と同じ浮遊性有孔虫研究者で中国からの参加者である「Baoqui(バオチー)さん」です。バオチーさんは、常々暖めてきた計画があるとアダムさんに相談しました。その計画とは、「餃子」を作り皆で食べたい、との内容でした。その相談の場には私と熊さんも参加しました。
その相談にアダムさんは二つ返事で了承をしてくれました。実に楽しそうで、ほかの研究者も良いリフレッシュになるだろう!と喜んでいました。ちなみにアダムさんはその時「フルサワサン、餃子だとご飯とビールが欲しくなりますね!」と流暢な日本語で冗談を混ぜてくれました。私と熊さんもとてもとても欲しくなりますと三人で頷き、笑いあっていました。しかし、了承はできても食事関連はアダムさんの一存で決められないということで、JRのコックチーフの元に赴き話し合いをした結果、食事の時間に被らなければ好きにしてかまわないとの返事が返ってきました。そして、キッチンを好きに使わせてもらう許可が降りたため、餃子パーティの開催が正式に決定しました。
その後、研究スケジュールと照らし合わせ開催日が決まり私と熊さんを含めた中国人研究者メンバーで作成することが決まりました。もちろんJRには餃子の生地はありませんので、生地から作ることになります。私は実家での手伝いと、ラーメン屋でのアルバイトの経験があった為に生地作成係りに任命されました。
![]() 生地を作る古澤 |
![]() 種作りのメンバー(真ん中の紫シャツが主席研究者のズェンさん、白Tシャツが立案者のバオチーさん) |
ここで中国と日本との餃子の違いについて簡単な説明を挟みます。ざっくりと説明すると、中国の餃子は「水餃子」です。基本的に焼いたり、揚げたりは殆どしないらしいです。茹でたあとにお皿に乗せ、醤油、ニンニク、お酢、ごま油、ラー油、刻み唐辛子を混ぜたタレにつけて食べるそうです。今回JRには足りない食材もあったのですが、概ね揃い伝統的な中国の餃子を食べることができました。
そして餃子パーティの日を迎えました。その日餃子作成係である私たちは早めに研究を切り上げ、昼シフトと夜シフトの人が同時に活動するお昼間際の時間帯に間に合うよう行動を開始しました。それぞれJRのキッチンに集まり、パート毎に分かれて餃子を作りました。生地係りの私が失敗したら全て終わりとの、アドバイス及びジョークを浴びながらの作成でした。無事に生地と餃子の種を作り終え、一息付く間も無く本体の作成に入りました。そこからは、ほかの研究者やテクニシャンの方々も合流し大勢で生地に種を詰め込む作業の始まりです。アジア圏以外の方々は餃子自体を知らない方が殆どで、戸惑いながらも楽しんで餃子を包んでいました。そこでも各国のオリジナリティ主張するように、イタリアの方はパスタ型の、アメリカの方はキャンディ型などなど好き好きに形を決め作成していました。私は熊さんに白い目で見られながら底性有孔虫と浮遊性有孔虫型の餃子を作りました。
![]() 様々な国のメンバーで餃子形成。 |
![]() 出来上がってくる餃子たち。 |
![]() 完成しました! |
そうして各国の特色豊かな餃子と、普通の餃子を大量に作り終え、全員で中国式の餃子を堪能しました。自分たちで一から作った餃子はとてもおいしく感じられました。始めて餃子を食べる方々もこれは美味しいと満足してくれました。最後にアダムさんはとても良いリフレッシュになったとバオチーさんに感謝をして餃子パーティは円満に終了しました。
レポート5:Happy Birthday Bill Crawfordさん!
古澤明輝(島根大学 大学院生)
先日、Bill Crawford(ビル・クロフォード)という今回の航海専属のイメージングスペシャリスト(研究者達の写真や掘削されたコアの撮影をする等、画像処理の専門家です)の誕生日を迎えました。ビルはとても気さくなおじいさんで、出会ってすぐ様々な人に好かれていきました。研究者のそれぞれが、○○○ジスト(私であればマイクロパレオントロジスト)と肩書きがつくのを見て「私は フォトロジスト だ!!」と触れ回ってもいました。
そんなビルは、私が乗船したときに探し回っていたようで、「君が今回唯一の日本人か?私はとても日本が大好きだ、中でも侍と忍者は最高だ!だから私は忍者なんだ、よろしく頼むよ。」と言われ吃驚したのを今でも覚えています。そして何日か後に、「見てくれアキラこれが私の忍者だ、とてもクールだろ?」とデザインTシャツを見せてくれましたが、なんとなく察する方もいらっしゃるかと思います・・・・・そのデザインはアメリカのピザを食べる亀の忍者の方でした。ニンジャタートルズです。それからビルの送る船上での全てのメールにはビルの名前の代わりに「フォトニンジャより」とのペンネームが入るようになりました。
そんなニンジャ大好きビルの誕生日の為に熊さんと私は、折り紙を渡すことにしました。熊さんは折り鶴を、私は折り紙の手裏剣を作成して、幾つかの日本からのお土産と共にプレゼントしました。初めは折り紙がなんだかわからなかったビルも、次第に手裏剣だとわかると子供のようにはしゃぎ、喜んでくれました。そして手裏剣を手にとても楽しそうな笑顔の写真撮影をした後に、一緒に折り紙の手裏剣を作りました。初めて作る折り紙に苦戦していましたが、自分で作成した手裏剣が出来上がるととてもうれしそうに眺めていました。また、その時に私が合気道と弓道をしている話をしたところ「君は今日からサムライ、ニンジャだ!」となり、出会うときはニンジャやサムライのニックネームで呼ばれ、見えない刀で一緒に戦っています。
![]() 古澤の手裏剣と熊さんの鶴 |
![]() プレゼントに喜ぶフォトニンジャ(ビル) |
それからというもの、ビルの自室は折り紙と手裏剣で飾られるようになりました。フォトニンジャのお城は今日も折り鶴と手裏剣に囲まれています。
![]() 二人の作業スペースでの手裏剣ポーズ |
![]() 折り紙で飾られたビルのオフィス |
レポート4:The Voice of the JR
Kan-Hsi Hsiung(海洋研究開発機構 研究員)
We hold a singing contest “EXP.367 The Voice of the JR” in the middle of this cruise. Everyone can sing in their preferred language songs.
The organization committee prepared well machine from Karaoke (カラオケ) room to the large conference room. There are 16 competitors/teams from different countries participating this event. The top three and special awards got surprise prizes.
![]() The award BEST CHOREOGRAPHY “JR Spicy Girls” consist of two Sedimentologists and one Petrophysics Specialist. |
![]() So many fans and audiences enjoy this party. |
Only few pictures cannot show the happiness from this party. I guess we may receive the video later. I believe that this is the best popular event during our EXP 367.
![]() We have professional image specialist to record video of this event. |
![]() This is “AWARD The Voice of the JR” poster in the right side. The next event, the world-class Ping Pong “TTT” is coming soon! See you next time. |
レポート3:発泡スチロールカップ無事帰還!
古澤明輝(島根大学 大学院生)
先日水深3700mに見送った撮影機器とフロリダの子供たちの発泡スチロールカップが無事にJRへ帰ってきました。JRまで後100mに差し掛かった段階で、研究者たちのいるスペースに放送が入り、全員でムーンプールに向かいました。撮影機器はムーンプールにある巨大なウィンチで吊り下げられているので巻き取られてJRに向かってくる様子がわかります、皆で残りのm数が表示される計器を見ながら心待ちにしていました。撮影機器が上がってくる最後の数mは研究者と作業員のカウントダウンの声が混ざり合い、浮上した瞬間には共拍手喝采が巻き起こりました。青く輝くムーンプールの水面から撮影機器が浮上してくる光景はサンダーバードのようだったと研究者の一人と盛り上がりました。
その後、回収された発泡スチロールカップを確認しに行ったところ、86個のカップが見事に圧縮されていました。破損しないようすべてのカップにはティッシュが詰められていたのですが、それがうまくいき破損しているカップは一つもなく、綺麗に小さくなっていました。富岳三十六景が描いてあるカップもミニサイズになり帰ってきました。研究者達で興奮を分かち合った後は、先日の撮影の締めくくりである小さく圧縮されたカップを持っての感想の撮影を行い、子供たちの為の実験は終わりを迎えました。
![]() ミニサイズ発泡スチロールカップが全部無事にJRへ帰ってきました。 |
![]() 富岳三十六景が描いてあるカップもミニサイズ。 |
続いて、BBQパーティーについてです。JRでは日曜日にBBQパーティーが催されています。私も指導教員からちょっとしたお祭り騒ぎになるとの情報を聞いてはいたのですが、実際に経験をしてみると正にその通りのパーティーでした。BBQパーティーの日は船内の至る箇所にパーティーのモチーフである「海賊」のマークが入った時間や場所の書いてある張り紙が張られ、その日は誰も彼もがそわそわとしながらその時を待ちわびていました。
そして待ちに待ったそのパーティーは、天候も最高に良く、雲のない青空の甲板で開始されました。調理スタッフの方々はそれぞれ海賊のコスチュームに身を包み、集まってきた研究者や作業員を襲いながら皆で騒ぎ、盛大に盛り上がりました。
![]() 「海賊」のコスチューム。 |
![]() BBQパーティー。 |
レポート2: The video of JOIDES Resolution introduction
Kan-Hsi Hsiung(海洋研究開発機構 研究員)
古澤明輝(島根大学 大学院生)
Today we supported the outreach to record the video of JOIDES Resolution introduction. The 64 painted Styrofoam cups from students of Edgewood high school, Florida, US are prepared. The total cups are higher than us! We will tie these cups with the submarine camera system and down to ~3,700 meters deep of the sea. These cups will be condensed by high pressure of deep sea. Let’s see and wait for these cups coming back! Some of scientists support to introduce JOIDES Resolution to children for the video in 9 languages. Akira provided introduction in Japanese. (Kanhsi)
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皆様こんにちは、古澤第二回目の航海記録です。
2月22日は、イタリア人のアリッシアさんから九ヵ国の研究者にある頼まれごとがありました。その選ばれた9ヵ国は、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、インド、イギリス、スウェーデン、日本、中国、です。
頼まれごとは、フロリダにある「エジュード・Jr&シニア・ハイスクール」の子供たちに向けてある実験を行いたいので、台本を用意するからそれぞれの母国語を使って解説している様子をビデオに収めたい、とのお願いでした。
その実験とは、フロリダの子供たちが思い思いにイラストを描いた発泡スチロール(カップヌードルの容器)を掘削の様子を確認するために設置するカメラなどの機器に括り付け3700m下に送り、深海の水圧で発泡スチロールがどんな変化をするのか確かめるものです。JAMSTECに展示してあるブタメンの実験と同じものです。発泡スチロール容器の一つにはとても上手に富岳三十六景の富士山と波を描いている子もいました。
私も結果は見たことがあるのですが、実験をするのは初めての体験なので、楽しみながら結果を待ちたいと思っています。
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レポート1:Yuan-Shaw (元宵節)
Kan-Hsi Hsiung(海洋研究開発機構 研究員)
和訳:古澤明輝(島根大学 大学院生)
This is Yuan-Shaw (元宵節) festival, the last day of Chinese New Year. Usually we prepare small, sweet and white dumpling for celebration. The Mess room prepared a lot of dumpling in red bean, black sesame, and sweet potato taste. Then some of Chinese researchers prepare traditional Chinese songs singing for all of us. Everyone felt enjoyable and we finished our first party for the festival during the South China Sea cruise.
2月11日は、中国での新年祭の最終日でした。キッチンに研究者と技術者が集まり、スープに浸された小さなお団子(元宵, 湯圓)を食べました。団子の中身は、黒胡麻、漉し餡、芋餡の種類があります。それを皆で食べ感想を話し合っていると、中国人研究者の代表二人による中国語の伝統的な詩を聞きながらお祝いの儀式が行われました。異なる文化に驚いたり、写真や映像に残したりとしながら、様々な国の人が一丸となりリズムを頼りに楽しみました。
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