Exp. 363 Western Pacific Warm Pool

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航海概要

航海概要

テーマ

Paleoceanographic Records of Western Pacific Warm Pool Paleoceanography
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航海予定期間

2016年10月6日~12月8日

掘削船

JOIDES Resolution

乗船/下船地

シンガポール/グアム

掘削地点

363map

科学目的

The Western Pacific Warm Pool (WPWP) Expedition (based on IODP Proposal 799-Full2) aims to understand the interaction between climate and the WPWP from the middle Miocene to Holocene. A series of sites will be drilled in the western equatorial Pacific to investigate (1) the role and response of the WPWP to millennial climate variability during the late Quaternary, (2) changes in the WPWP and relation to monsoon activity on orbital timescales during the Pliocene-Pleistocene, (3) changes in the Indonesian Throughflow during the Pliocene-Pliestocene, and (4) the long-term evolution of WPWP sea surface temperature (SST) and water chemistry since the middle Miocene.

Sediments obtained from these sites will investigate the relationships between millennial-scale variability in the tropical Pacific and in the northern Atlantic; the controls on tropical Pacific SST and the SST gradient on various time scales; the response of the hydrologic cycle and the mechanisms controlling these variations; the evolution of the WPWP from the mid-Miocene Climate Optimum to the present; and the relationships between changes in the equatorial Pacific mean climate state and dynamical processes and how they relate to the Pliocene-Pleistocene transitions.

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掘削予定深度 岩相 年代 コアリング/ロギング
WP-12A 500m (水深1,446m) 半遠洋性石灰質粘土岩 14Ma(最深部) APC, XCB/Standerd Measurements
WP-11A 350m (水深1,790m) 半遠洋性石灰質粘土岩 3.9Ma(最深部) APC, XCB
WP-72A 230m (水深1,147m) 半遠洋性泥層 6Ma(最深部) APC, XCB
WP-71A 230m (水深1,030m) 半遠洋性泥層 4Ma(最深部) APC
WP-06A 200m (水深880m) 遠洋性堆積物 2Ma(最深部) APC
WP-03A 450m (水深2,600m) 含有孔虫石灰質ナノ化石ウーズ 19Ma(最深部) 情報なし
WP-21A 125m (水深2,355m) 含有孔虫石灰質ナノ化石ウーズ 8Ma(最深部) 情報なし
WP-02A 350m (水深2,355m) 遠洋性有孔虫砂 23Ma(最深部) APC, XCB
WP-09A 350m (水深2,080m) 半遠洋性堆積物 0.7Ma(最深部) APC, XCB
共同首席研究者

Yair Rosenthal & Ann Holbourn

J-DESCからの乗船研究者
氏名 所属 役職 乗船中の役割
熊谷祐穂 東北大学 大学院生(博士) Paleomagnetist
佐川拓也 金沢大学 助教 Sedimentologist
山本正伸 北海道大学 准教授 Organic Geochemist

乗船に関わるサポート情報

乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。

  1. プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
  2. 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
  3. アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
  4. 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費

乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら

お問い合わせ

J-DESCサポート 海洋研究開発機構 横浜研究所内 E-mail: infoの後に@j-desc.org Tel: 045-778-5703

募集情報(〆切ました)

募集情報

主な募集分野
  • sedimentologists
  • structural geologists
  • paleontologists
  • biostratigraphers
  • petrologists
  • paleomagnetists
  • petrophysicists
  • borehole geophysicists
  • microbiologists
  • inorganic/organic geochemists
  • この他関連する分野

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募集〆切

2015年8月17日(火) 2015年9月30日(水)※延長しました

終了しました。

注意事項

応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。 修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。

船上レポート

最終更新日:2016年11月24日 ※日付は日本時間

レポートインデックス

レポート2(2016年11月20日)>>束の間の休日(?)

レポート1(2016年10月24日)>>Expedition 363 Western Pacific Warm Pool始まりました!

 

レポート2:束の間の休日(?)

熊谷裕穂 (東北大学 大学院生(博士))

東北大学の熊谷です、すっかりご無沙汰してしまい申し訳ございません。
オーストラリア沖の2サイトの掘削を終えた我らがJOIDES Resolution号は、8日間という長いトランジット(移動期間)を経て、赤道域・パプアニューギニア付近の掘削を行っています。

トランジットの期間は新しいコアが上がってこないため、つかの間の休息といった雰囲気の船上ではいくつかの催しが開催されました。
10月31日のハロウィンに向けては、数日前から船内のいたるところにジャックオランタンや骸骨が飾られ、食堂の入り口にはこのような雰囲気満点(すぎる?)ポスターが、何枚も飾られました。

363-2-1

(撮影:佐川先生)

ほかにも、コアラボの入り口には「Haunted Core Lab」、一つ下の階の地球化学ラボの入り口には「Potion Lab」の字が……
私も出入りしているコアラボにゾンビの類が出てくることはありませんでしたが、ジオケミ屋さんでは一体何の薬を作っていたのでしょうか……

当日には、サイエンティストもテクニシャンも、みな思い思いの仮装でミーティングやシフトに臨みました。

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(撮影:Bill Crawfordさん)

持ち込みコスチュームからラボにあるものを使ったアイディア大賞の仮装まで、魑魅魍魎の跋扈する愉快なサイトミーティングとなりました。
もちろん新しいコアが上がってこないだけで、終わっていない測定やレポートの執筆、結果の振り返りのミーティングは掘削中と変わらず行われました。

遊んでばかりでなく,ちゃんと仕事だってしていますよ!(撮影:山本先生)

遊んでばかりでなく,ちゃんと仕事だってしていますよ!(撮影:山本先生)

食堂にはこの日のためのスペシャルメニューが並びました(撮影:熊谷).

食堂にはこの日のためのスペシャルメニューが並びました(撮影:熊谷).

おどろおどろしい名前ですが、どれがどんな料理か想像つきますでしょうか? Sea witches fingers はエビフライでした、小さかったのでちゃんと10本いただきました!

山本先生によると夜にはホラー映画の鑑賞会もあったとのことで、気合の入りように驚かされながらも、楽しく過ごした1日でした。

また、11月5日にはハンプデー・パーティーといい、日程の半分を迎えたことを祝うパーティーが催されました。
クッキーやピザが用意された談話室の隣では、ムービールームがダンスクラブに早変わり。
若手からベテランまで、ノリノリで踊っておられました。
私は眠気に負けて1時半に撤退しましたが、3時ころまで続いたそうです…皆さんタフです…

日程は3分の1を残すあまりですが、後半1か月で予定サイトの3分の2を掘削するExp. 363はまさに今が正念場です。
今のサイトの測定を進めながら、前のサイトの測定結果を図にまとめつつ、前の前のサイトのレポートを執筆するという、かなりハードな期間となっていますが、負けずにがんばっていきたいと思います。

 

レポート1:Expedition 363 Western Pacific Warm Pool始まりました!

山本 正伸 (北海道大学 准教授)
佐川 拓也 (金沢大学 助教)
熊谷 祐穂 (東北大学 大学院生(博士))

JOIDESに乗船してからあわただしく過ごし2週間たちました。これまでの出来事を簡単に報告したいと思います。10月7日シンガポール北東部チャンギ村近くの港で乗船しましたが、食料等の積み込みのため11日まで港内に留まっていました。その間、さまざまな会議がありました。夕方になると自由時間がもらえました。許可をもらうと上陸し、好きなところに行くことができましたので、陸を名残惜しみました。

シンガポールを出航し、ジャワ海を東に向かいました。ジャワ海は水深30m程度の浅く平坦な海で、氷期に陸化したスンダランドの中心部にあたります。ジャワ海の水の色は暗く、どういった作用によるものなのか不思議に思いました。

14日夕方に、バリ島とロンボク島の間のロンボク海峡を通り抜けてインド洋にでました。交通の要衝だけあって、船の行き来がさかんです。バリ島北部のGunung Agung火山が夕焼けに映えて、とてもロマンティックでした(写真1)。若い皆さんには新婚旅行にお奨めしたいです。Gunung Agungは海からそびえ立つ標高3000mの成層火山で、稜線がゆるく湾曲しており良い姿をしています。日が暮れると集落の灯りがみえ、人々の暮らしが窺われました。

スマトラ島とチモール島を結ぶスンダ諸島の島々には大きな火山が目白押しです。その中には1258年に噴火したロンボク島のサマレス火山、クラカタウ火山、1815年に噴火したスンバヤ島のタンボラ火山があります。このような大規模噴火を起こす火山が熱帯域にあることにより、地球の気候に大きな影響を及ぼしていることが、このごろ重要なトピックになっています。古気候フリークには想像力が励起されるたまらないフィールドです。

16日午後に最初の掘削地点に到着、U1482サイトと名付けられました。休みのない日々が始まりました。
(山本)

写真1:ロンボク海峡から見たバリ島

写真1:ロンボク海峡から見たバリ島。
左がGunung Agung火山。(佐川撮影)

金沢大学の佐川です。最初のサイト(オーストラリア北西沖)に到着してすでに6日が経ちました。現在3つ目のホールを掘削中です。私は堆積学者として本航海に乗船しています。堆積学者は8名おり、4名ずつシフトに分かれて12時間交代で堆積物の岩相記載や、色・帯磁率の測定を行っています。8名は年齢や経験がさまざまですので、同じ堆積物を記載する際の観察記録を統一させるために、シフトの交代時間に良く話し合って堆積物の命名や堆積環境の解釈などを毎日確認しながら作業を進めています。

Joides Resolution号では毎日のように、世界各地の学校とテレビ電話でアウトリーチ活動を行っています。小学校から大学まで幅広い年齢層が掘削科学や環境変動に興味をもってライブ中継を申し込んでくれています。これまでに、アメリカ、インド、フランスなどと中継をつなぎました。今日は私もニューヨークマンハッタンの小学生の質問にドキドキしながら答えました(写真2)。興味をもたれた方は日本からも是非申し込んでいただければと思います。また、Joides Resolutionのウェブサイトでブログも公開されていますので是非ご覧ください(http://www.joidesresolution.org/)。

10月も終わりに近づいて、船内ではカボチャの飾りを目にすることが多くなってきました。(佐川)

写真2

写真2:ライブ中継で質問に答えている様子(熊谷撮影)

東北大学の熊谷です。人生初の航海がJR号という、大変な贅沢者です。本航海には古地磁気学者(paleomagnetist)として乗船しています。堆積物が記録している過去の地磁気の情報を読み取り、地磁気逆転の歴史と照らし合わせて堆積年代の情報を提供するのが主な仕事です。古地磁気学者は全体で2人、各シフトに1人ずつしかおらず、堆積物試料を扱った経験のないペーペーの私でも12時間の測定を一人で行う必要があります(実際には技術者の皆さんや他部門の研究者さんたちが面倒を見てくださるので、孤独な闘い…というわけではないのですが)。同僚の古地磁気学者さんに手取り足取り教えてもらいながら少しずつ仕事を覚えていますが、至らないことだらけで申し訳ない限りで…。今後の挽回を期して、日々励んでおります。先日は、シフト交代前のミーティングで古地磁気部門での進捗を報告する役をやらせていただきました。頻発する機械の不調や体力不足、自分の頼りない英語力、さらには美味しいごはん・おやつの食べ過ぎに悩まされながらも、なんとか元気に活動しております。 (熊谷)

写真3

写真3:シフト交代前のミーティングで
結果の報告をする様子 (山本撮影)

報告書類

  • プレクルーズトレーニング
    開催期間:2016年7月15日~16日
    開催場所:金沢大学
    開催報告:PDF
  • 乗船
    乗船期間:2016年10月5日~12月9日
    乗船報告:PDF
  • Sampling Party
    開催期間:2017年6月19日~30日(全体), 2017年8月7日~18日(古地磁気)
    報告書:PDF
  • Data Report
    “Data report: refinement of calcareous nannofossil biostratigraphy from the late Oligocene to the Pleistocene, IODP Expedition 363 Hole U1490A,” by Yvonne Ivy L. Doyongan and Allan Gil S. Fernando was published today, 5 February 2021, in Volume 363 of the Proceedings of the International Ocean Discovery Program.
    The paper can be found here: http://publications.iodp.org/proceedings/363/204/363_204.html
  • “Data report: composite depth scale and splice revision for IODP Site U1488 (Expedition 363 Western Pacific Warm Pool) using XRF core scanning data and core images,” by Anna Joy Drury, Denise K. Kulhanek, Thomas Westerhold, Ana Christina Ravelo, Gregory Mountain, Ann Holbourn, Yair Rosenthal, Anaïs Schmitt, Jennifer B. Wurtzel, Jian Xu, Roy Wilkens, and Ursula Röhl, was published today, 29 October 2021, in Volume 363 of the Proceedings of the International Ocean Discovery Program. The paper can be found here: http://publications.iodp.org/proceedings/363/205/363_205.html

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